福島が抱える4つの大問題の現状
1. 処理水の海洋放出問題
放出は開始されましたが、その裏側にあるのは「終わりが見えない汚染水の発生」です。
2. 燃料デブリの取り出しの見通しがたたないこと
廃炉の核心でありながら、事実上、手が付けられていない現状が数字に表れています。
3. 除染土の問題
「一時保管」のはずが、永続的な問題となる懸念があります。
4. 農作物の基準値超過問題
科学的安全性と社会的不安のギャップが風評を生んでいます。
※これらの未解決な問題が山積するなか「福島産物は風評被害」という表現がはたして正しいのか。
1. 科学的な側面から見ると「風評被害」は正しい
市場に出回っている福島県産の農水産物は、極めて厳格な検査をクリアしており、国の定める基準値(100Bq/kg)を下回っています。科学的・客観的なデータに基づけば、消費者が口にしても安全です。にもかかわらず、避けられてしまう経済的な被害は、「科学的根拠のない不安や誤解」によるものであり、「風評被害」という表現は適切であると言える。
2. 社会的な側面から見ると「根拠のある不安」である
一方で、ご指摘のように、処理水の大量放出、デブリの取り出しの遅れ、除染土の最終処分未定など、「原発事故が全く終わっていない」という巨大な事実が背景にあります。
消費者の不安は、単なる噂ではなく、これらの「未解決の大問題」から来る不信感や不安感が根底にあります。そのため、「根拠のない風評」と断じるだけでは、問題の本質を見誤るという批判も強くあります。
結論として、「食品の安全性は確保されているため、被害は風評である」と同時に、「未解決の原発問題が不安の背景にあるため、風評の根は深い」というのが現状である。