頭皮トラブル急増の真実とその対策

 

「なんだか最近、頭皮の調子がおかしい…」「最近、急に抜け毛が増えた気がする」

そう感じている方は、決して少なくありません。長引くパンデミックの影響や、予期せぬ環境の変化が複雑に絡み合い、これまで経験したことのない頭皮トラブルが多発しているのが、2025年の現状です。

なぜ今、これほどまでに頭皮トラブルが増えているのか?その背景にある複数の要因を、私たちのサロン現場の経験から分析し、解説します。


あなたの頭皮トラブル、その原因はひとつじゃないかもしれません

お客様のカウンセリングを通じて見えてきたのは、頭皮トラブルが単一の原因ではなく、複数の要素が重なり合って起きているケースが非常に多いということです。サロン現場に立つ私たちが肌で感じているのは、今年の頭皮トラブルがまさに異常事態レベルであること。お客様との施術において、その深刻さに胸を痛める日々です。
一体、何が起きているのか? 2025年を迎え、長期化したコロナ禍とその影響、そして環境の変化が複雑に絡み合い、これまで経験したことのない頭皮トラブルが多発しているのです。

なぜ今、頭皮トラブルが激増しているのか?多角的な要因を徹底解説
この数年、私たちの体はかつてないストレスに晒されてきました。その影響は、髪の毛の土台である「頭皮」にまで深く及んでいると私たちは考えています。
ざっと挙げられるだけでも、これだけの要因が複雑に絡み合っています。
3年に及ぶ、がんじがらめなコロナ対策、それら生活習慣変化が引き起こすホルモンバランスの乱れ。
マスク生活や外出自粛、リモートワークへの移行など、私たちの生活は劇的に変化しました。知らず知らずのうちにストレスが蓄積しホルモンバランスの乱れとなって頭皮のトラブルを引き起こしているケースが散見されます。
感染対策で美容室に行けず、手軽に自分でできるホームトリートメントカラー(トリートメントという響きのよいフレーズに踊らされ)などでの処理、 気軽に市販品に頼った結果、ご自身の頭皮に合わない成分でアレルギー反応を起こしたり、過度な刺激を与えてしまったり、HC染料を毛穴の奥まで浸透させることとなっていたり、頭皮環境が悪化してしまった方も少なくありません。
また、花粉飛沫量が例年の10倍、異次元の黄砂飛沫による肌のアレルギー反応。 もはや春の風物詩では済まされないレベルで飛散する花粉や黄砂。顔だけでなく、頭皮も無防備にアレルゲンに晒され、アレルギー反応による皮膚炎を引き起こしています。
その対策による薬の服用による免疫副反応、そしてコロナワクチンによる免疫副反応。 花粉症や様々な体調不良に対する薬の服用、そしてコロナワクチン接種による免疫系の変化が、頭皮を含む全身の皮膚に影響を与えている可能性も無視できません。
新型コロナウイルス感染後の脱毛メカニズム 新型コロナウイルスに感染した後、「以前よりも抜け毛が増えた」と感じる方が非常に多くいらっしゃいます。これは、ウイルス感染に伴うサイトカイン(炎症性物質)の過剰な放出が、毛根の細胞にダメージを与え、通常は成長期にある髪の毛を休止期へと移行させてしまうためと考えられています。また、発熱や体力の消耗といった感染による身体的ストレスも、一時的な脱毛(休止期脱毛)を引き起こす主要な要因となります。感染から数ヶ月後に症状が出始めることが多く、これはコロナウイルス感染が頭皮環境や髪の成長サイクルに長期的な影響を与えている証拠と言えるでしょう。
これらの要素は数え上げれば終わりません。あなたの頭皮トラブルも、これらの複数の要因が複雑に絡み合って起きているのかもしれません。

「私の頭皮、何が起きてる?」まずはタイプを知って、正しい対処法を 頭皮トラブルは、症状が似ていても原因は様々です。間違った対処法は、かえってトラブルを長引かせてしまう原因に。ご自身の頭皮の状態を把握することが、解決への第一歩です。


専門家が教える!あなたの頭皮トラブルタイプ別・正しい対処法

頭皮トラブルは症状が似ていても、原因は様々です。間違った対処法は、かえってトラブルを悪化させてしまうことも。ご自身の頭皮の状態を正しく理解することが、解決への第一歩です。

接触皮膚炎(アレルギー系)

シャンプーやヘアケア製品など、頭皮に直接触れた物質への反応で起こる皮膚炎。

対処法:

  • まずは使用中の商品を徹底的に見直してください。「効果・効能」を謳う化粧品登録の製品には、皮膚リスクがあることを認識しておきましょう。

毛包炎・頭皮ニキビ(細菌の炎症系)

シャンプー時の摩擦やブラッシング、乾燥によるかゆみで掻いてしまうなど、頭皮の小さな傷から細菌が入り込んで起こる炎症です。

対処法:

  • 頭皮をゴシゴシ擦るのではなく、頭皮に優しい指圧で洗いましょう。
  • 小さな傷には軟膏薬を綿棒で塗布してください。ただし、細菌性炎症にはステロイド剤は使用しないでください。

皮脂欠乏性皮膚炎(乾燥・バリア機能低下系)

冬場の乾燥、過度な洗浄、パーマやカラーの頻度、加齢などによる頭皮のバリア機能低下が原因です。

対処法:

  • 頭皮の保湿を最優先に。お顔の化粧水でもOKです。
  • 赤みやぶつぶつとした丘疹には、綿棒でステロイド剤を薄く塗布してください。ステロイドは、過剰な免疫反応を抑制し、炎症を鎮める作用があります。
    皮脂欠乏性の方へのあカラーアプローチはこちら

脂漏性湿疹(常在菌の異常繁殖系)

皮脂分泌が多い方や、ホルモンバランスの乱れにより過剰に分泌された皮脂が、常在菌に分解されて刺激を与えることで起こります。

対処法:

  • アゾール系抗菌薬配合シャンプーで真菌細胞膜の働きを阻害しましょう。
  • ストレスフリーな生活習慣や、ビタミンB群の摂取も大切です。
  • カビ菌の好む頭皮環境を作らないこと(保湿や軟膏はつけないでください)が重要です。

その他(身体的ストレス・免疫反応による脱毛)

新型コロナウイルス感染後に見られる脱毛は、感染による身体的ストレスや炎症反応が毛根に影響を与えることで起こります。

対処法:

  • まずは体調の回復を最優先し、十分な休養と栄養のある食事を心がけましょう。ストレス軽減も重要です。
  • 症状が長引く場合や、急激な脱毛が見られる場合は専門の皮膚科医にすることをおすすめします。

間違った自己判断は危険!まずはプロにご相談を

あなたの頭皮の状態は、ご自身ではなかなか正確に把握できません。インターネットの情報だけで自己判断し、間違った対処方法を続けてしまうことで、かえってトラブルが長引いているケースが非常に多く見受けられます。
もし頭皮トラブルが長引いているなら、今一度、ご自身の対処方法を見直してください。そして、何よりも大切なのは、しっかりと頭皮を診て、触診までしてくれる信頼できる医師への相談です。
私たち美容師は、お客様の髪や頭皮に直接触れ、日頃の生活スタイルまで把握できる、いわば「一番身近な専門家」です。もしお困りのことがあれば、いつでもご相談ください。

「今年の頭皮トラブル、なんだかいつもと違う…」そう感じたら、すぐにサロンへお越しください。あなたの頭皮の状態をしっかり拝見し、適切なアドバイスをさせていただきます!

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